安心・安全を何より重視。パフォーマンスが大幅に向上し、
メールの使用頻度も向上
東京医科歯科大学は、1928年に設置された東京高等歯科医学校から脈々と続く医療系大学である。2010年には、「知と癒しの匠を創造する」をミッションとして定め、高度な医療の知識と卓越した技術を身につけるだけではなく、人の苦しみや悲しみを 受け止め、思いやれる倫理観を持つ人物を育てている。
東京医科歯科大学では、レスポンス、インターフェイスおよび容量の課題を抱えていたメールシステムをリプレースした結果、 それらの課題を解決しただけでなく、飛躍的にユーザーの使用頻度が向上したという。
学生であっても適切に管理
医療系ならではの課題も多い
東京医科歯科大学に限らず医療系の大学の場合、大学病院を有しており、学生は卒業した後に大学病院に勤務するケースが多い。また、学生としての在学期間(6年間)中、最後の2年間は、職員とほぼ同様のセンシティブな個人情報を扱う機会が増加する。これは医療系大学の特徴の1つだ。
「医療関係者の考え方としては、メールについては"安全・安心"という部分を重視します。アカデミックな内容や医療情報のやり取りにもコミュニケーションツールであるメールが大変便利です。緊急時にメールを使う際には本文には機微情報を入れず、暗号化した添付ファイルを活用することも一部ではあります。 より安全・安心にメールを使いたいので、メールシステムは学内設置(オンプレミス)で構築することを大前提としています」と東京医科歯科大学・副学長(情報管理担当)の高瀬浩造氏は語る。
メールシステムを構築する場合、オンプレミスとクラウドの2つに大きく分かれる。オンプレミスは、学内設置のため管理・運用を大学側で行わなければならないが、機器も含め管理下におくことができるというメリットがある。クラウドの場合、機器などのコンピュータリソースは、ネットワーク上のどこかに設置されており、ユーザーはデータをクラウドに預け、必要なサービスだけを利用できる。機器の管理・運用工数を削減できるが、それらのすべてを管理下におくことができない。オンプレミスとクラウドは、双方メリット/デメリットがあるが「安心・安全」を優先させるのであれば、機器や情報などは管理下におけた方がいい。東京医科歯科大学がオンプレミスのメールシステムを選定するのには非常に重要なポイントである。
東京医科歯科大学
副学長(CIO)兼
図書館情報メディア機構情報基盤
部門長
高瀬 浩造氏
柔軟性・拡張性の高さからソフトウェア製品を選択
東京医科歯科大学の前回のシステムでは、メールシステムを素早く構築し運用できるメリットがあったことから、ソフトウェア/ハードウェア一体型のアプライアンス製品を利用してきた。しかし、導入から時間がたつにつれ、メールで扱うデータ容量が増大してきた。研究に使う情報なども大容量のマルチメディアデータが増え、メールでやりとりすることも増えていたためである。
メールボックスの容量を増やすにしても、アプライアンス製品では専用のDiskをメーカーが指定する容量でしか増設することができず、パフォーマンスを向上するには高価な筐体を新たに追加増設する必要があった。柔軟性や拡張性、また経済性にいくつものハードルが存在していた。そこで、システム設計が柔軟な汎用サーバーとメール専用ソフトウェア製品によるシステム構築を模索した。
「汎用サーバーにインストールするタイプのソフトウェア製品であれば、ユーザーニーズに応じてハードウェア、ストレージの追加などが柔軟に対応できます。その方が結果的にトータルコストが下がるのではないかと考えました」と語るのは 東京医科歯科大学・総務部情報推進課・情報基盤部門担当技術専門職員の岡田伊佐男氏である。
そこで東京医科歯科大学が選んだのが、ディープソフト社のメールソリューション「DEEPMail」である。「DEEPMail」は、開発初期から大規模メールシステムの構築を想定した統合メールサーバーで、顧客の要望に応じて柔軟にカスタマイズにも対応する。SMTP、POP3、IMAP4、Webmailモジュールなどすべてのエンジンを独自開発しており、トラブルが発生しても、国内でソースコードを持つため対応も早い。サポートという面でも、「安心・安全」なメールソリューションだ。システム、サポートの両面で「安心・安全」を提供するディープソフト社のソリューションは、東京医科歯科大学にとって大きな魅力となった。
さらに、ライセンスはユーザー数のみのカウントですむため、ハードウェアを追加したからといって、追加の費用が発生することがない。仮想化やコア数の多いCPUなどによるライセンスの扱いが問題になるケースが多い中、将来の拡張を見越してシステムを選定する際にも、大きなメリットとなっている。
「導入も非常にスムーズで、特にトラブルも起きていません。システムの入れ替えは何か起きると構えていましたが、そんなに神経質になることもないと実感しました。課題となっていたメールボックスの容量が10倍となり、ユーザーも満足しているようです。パフォーマンスも向上し、これまで届くまでにかなりの時間がかかっていた一斉メールも瞬時に届くようになりました。立て続けに一斉メールを送っても、問題なく送信できます。エンドユーザーからも、レスポンスが早くなったと評判です。」と岡田氏は語る。
東京医科歯科大学
総務部情報推進課
情報基盤部門担当技術専門職員
岡田 伊佐男氏
「使っていて気持ちがいい」インターフェイスも好評
高瀬氏に話を聞くと、「ユーザーという立場からいえば、ウェブメールが非常に使いやすくなりました。感覚的な話になってしまうのですが、個人的には使っていてとても気持ちがいい。実際にウェブメールの利用者も増えているようですが、ウェブメール画面の良し悪しは使用頻度に反映すると考えています。モバイルにも対応しているので、場所を問わずメールをチェックできるようにもなりましたしね」と語る。
東京医科歯科大学のメールシステムを構築した富士ゼロックス株式会社・ソリューション本部・システムエンジニアリング部・ IT基盤技術部・ システムエンジニアの井上英一氏は、「ディープソフト社のヘルプデスクサポートは、最終回答が非常に早いと感じています。お客様をお待たせする時間も短くて済みますし、非常に助かっています。サポートや開発などが国内で完結しているので、そういった安心感も大きいですね」とディープソフト社の対応を評価する。また、富士ゼロックス東京株式会社ドキュメント・サービス・アンド・サポート本部の遠藤伸幸氏は「他大学での導入事例でもある通り、細かなカスタマイズサービスが提案する際のメリットとなっています。特にWebmailについては、前回システムが海外製品だったのでどうしてもユーザーの嗜好に合わず、インターフェイスを修正したいのに、それができなかったのですが、DEEPMailでは幾つかの細かなインターフェイスを修正してもらい、ユーザーのニーズに応えることができました」と語る。
ディープソフト社のソリューションは、ユーザー、管理者それぞれからも満足のいくものとなっているが、構築を担当したベンダーのメリットも大きい。「ほかの企業や大学にも安心して使ってほしい。」というコメントが異なる立場の三者から自然と出てくるソリューションなのだ。 メールに課題を抱えている企業や大学、団体は、「安心・安全」に使える数少ないメールソリューションの一つとしてディープソフト社の製品を検討してみる価値はあると言える。
以前のメール環境 |
DEEPMail 環境 |
アプライアンス型メールシステム
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物理サーバーでも仮想サーバーでも稼働するソフトウェア
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メリット |
メリット |
- ハードウェア構成などを検討する必要がなく導入が容易
- 設定が容易ですぐに導入出来る
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- ハードウェア構成などを自由に選択出来るので、ニーズに合わせた拡張が容易
- 物理サーバー、仮想サーバーを問わず構築出来る
- カスタマイズ性が高い
- 長期的に見てコスト削減を図れる
- 実績も多く安心して導入出来る
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デメリット |
デメリット |
- ストレージの拡張などでも、専用のハードウェアが必要でコストがかかる
- パフォーマンスを向上したくても簡単に出来ない
- カスタマイズが難しい
- 完全な冗長化構成が困難
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- ハードウェアを調達し、システムを構築しなければならない
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