山形大学は、人文社会科学部・地域教育文化学部・理学部・医学部・工学部・農学部の6学部と7つの大学院研究科を備え、約8,800人の学生が在籍する東日本でも有数規模の総合国立大学。県内に4つのキャンパスが広がり、山形市・米沢市・鶴岡市それぞれの地域の特徴を生かした教育と研究を行っています。
山形大学では、2003年からActive! mailを導入して、職員と学生が利用してきました。そして、さらにセキュリティ対策を強化する目的で、2018年度に添付ファイルの画像化表示と国別経路情報表示のオプションを採用しました。
日本語対応の性能を高く評価してActive! mailを採用
山形大学の情報ネットワークセンター長 吉田浩司教授は、2003年からActive! mailを採用してきた背景について、次のように振り返ります。
「本学では2000年の早い時期から、4キャンパス全域のネットワークをファイアウォールで囲みました。それを機会に、学部の先生方が個別に立てていたメールサーバーの運用を整理するとともに、情報系センターとしても学内の利用者に広く汎用的なメールサービスを提供することにしました。クライアントOSの種類に依らないこと、メールクライアントアプリの管理にユーザーが煩わされないこと、出張など外出が多い教員が出先からでも安定してメールサービスを利用できること…などの理由からウェブメールを導入することにしました。」
ウェブメールの導入を検討するにあたり、情報ネットワークセンターの田島靖久教授は、当時の選定の基準を次のように説明します。
「いくつかの製品を検討した中で、国内でのサポート体制と日本語対応がしっかりしていたのがActive! mailでした。また、いろいろなブラウザーや当時の携帯電話、スマートフォンに対応していた点も評価しました。」
山形大学
情報ネットワークセンター長
吉田 浩司教授
WordやExcelのマクロウイルスの危険性が増大し対策が急務
山形大学の情報ネットワークセンターでは、2018年にActive! mailの添付ファイル画像化オプションが発表されると、すぐに導入を決めました。その理由について、吉田教授は「WordやExcelのマクロウイルスによる脅威が広がっていたので、教職員にはできるだけPDFファイルを添付するようにお願いしていました。しかし、Officeのファイルをそのまま添付する利用者は減りません。そこで、WordやExcelのファイルをダウンロードする前に確認できる添付ファイル画像化オプションを導入すれば、セキュリティ対策の強化につながると考えたのです」と説明します。
それに加えて、田島教授は「学内では、WindowsだけではなくMacやLinuxを利用する教職員も多いので、OSやアプリの環境に依存することなく、Officeファイルがブラウザー上で確認できるという点で利便性が向上すると考えました。」と補足します。
Active! mailの添付ファイル画像化オプションは、メールに添付されたOfficeファイルがZipで圧縮されパスワードが付けられていても、ドキュメントをブラウザー側で展開して画像化できます。そのおかげで、ウイルスやマルウェアに感染したOfficeファイルを不用意にPCにダウンロードする危険性を大幅に軽減できます。
山形大学
情報ネットワークセンター
田島 靖久教授
Excelのタブにも対応した日本語表示の再現性を高く評価
田島教授は「添付ファイル画像化オプションには感心しています。特に、Excelのブック形式のファイルで、複数ワークシートのタブも正確に再現している画像化処理には驚きました。クラウドメールの中にも、WordやExcelのファイルをプレビューできる機能を持つものがありますが、Active! mailの添付ファイル画像化オプションほど正確には表示できません。」と評価します。
また、添付ファイル画像化オプションでは、国別経路情報表示機能も提供しています。この機能は、メールのReceivedヘッダーの情報を解析して、そのメールが経由してきた国を国旗で表示します。不審なメールの多くは、複数の国のサーバーを経由して配信されることが多いので、もしも国旗がたくさん並んでいれば、怪しいメールかどうかが誰でも一目で分かります。吉田教授は「学内の先生から、『国旗がいっぱい表示されているのだけど、どういう意味ですか』という問い合わせがあり、未然に不審なメールをチェックできました。」と効果を実感しています。
セキュリティとコンプライアンスの観点からActive! mailを継続
山形大学の情報ネットワークセンターがActive! mailを長年にわたって学内で運用してきた理由について、吉田教授は「山形大学には医学部もあり、先生方の多くが医療に関連する大切な情報を取り扱っています。そのため、メールの送受信記録などへの管理者のアクセスが制限されていたり、数カ月でそれらが破棄されてしまうようなクラウドメールは、安心して利用できません。何かあったときに、すべてのメールのデータを確認するためには、クラウドではなくオンプレミスでの運用が、セキュリティとコンプライアンスの観点からも重要です。」と説明します。
田島教授は「クラウドメールは、情報システムを管理している私たちにとっては、内部でのメールの処理だけでなく受信拒否などのセキュリティ事案についてもブラックボックスになっている部分が多いので、教職員用のメールサーバーでの利用には不安が残ります。今後も学内ではActive! mailを使っていくと思います。スマートフォンやタブレットなどからの利用も増えており、それらの環境でも快適に閲覧ができるよう、Active! mailが進化していくことに期待しています。」と展望を語ります。